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シャーク×ロストコロニー みにくいケイトはもう逃げない

第8章 ジョージタウン、乱戦


車を降りたクレリアとフィリップは怪しげな集団が群がる方向へ走り出した


エイミーが車を発進させようとすると、ケイトが制してきた

「ちよっと待って、エイミー!」


「なに!?突然大きな声を出さないでよ!」


エイミーが振り返ると、街の市街地側に居た筈の大きなサメがジムトレーナーに追い込まれてこちらの方に向かってきた!


「ひぃッ!」


モビルスーツのコックピットから視認するサメより、実物のほうがはるかに大きく見えた


「こっちに来るよ!?エイミー早く!!」


慌てて車を発進させる


サメは街の街頭や駐車車両などの障害物を無視して、すごい勢いで迫ってくる


まるで火山の溶岩や竜巻が、街を飲み込みながら破壊しているようだ


ジムトレーナーはビームサーベルを抜いて、サメの背後に突撃する


「シモンズ、バルカン砲使うなよ!?
 エイミーたちに当たる!」


「くっ、バルカンでは近すぎるか!」


「任せろ」


ジムトレーナーはジャンプして上からサメの背びれ目がけて、サーベルを突き出した!


寸での間合いでサメが反応し、尾びれを強く振って、横方向に旋回した


「エイミー! 今のうちよ!」

「わかってます!」


逆方向にハンドルを切る


だがケイトが後ろを振り返ると、サメの大きなクチがガバッと開いて車ごと噛み砕こうとした瞬間だった!


「キャアァァァッッッ!!!」

エイミーはバックミラー越しに「マズイ」と思った


ガガガガッッッ!!


エイミーたちの車ギリギリに銃弾がかすめた!



堪らずシモンズが威嚇のバルカン砲を放って、サメは向きを変えた


「あ、危なかったね、今の!」

「バルカン使うなって言ったろ!
 でもおかげで助かった!サンキュ!
 他に武器は無いのかよ!?」


「トレーナーに戻ったらライフルは有るけど」


「ライフルは駄目だ、コロニーを破壊してしまう」

「だろ?」


シモンズは思った

“ああ、こういう時アイツなら突拍子もないことやりそうだな……”


シモンズの頭をよぎったのは、以前ここの教習訓練で指導した地球からの少年


“空軍あがりだったから、操縦はめちゃくちゃ下手だったけど……”


シモンズは今でも彼が戻って来るのを待っていた……


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