シャーク×ロストコロニー みにくいケイトはもう逃げない
第9章 ラスト・バトル
時間は少し戻って、ザックとエイミーが基地から車で飛び出してすこし経った頃
捕獲作戦が完了して、また穏やかな時間が戻るはずだったが、それをさせない警報がけたたましく鳴り響いた!
何事が起こったのか、皆が慌てふためき右往左往している
事態を確認するための呼び出しベルが、いろんなところでなり続けている
「なんだよ、マット!何が起こった!?
もう俺は酒飲んじまったぞッ!?」
「ジェームス、大変だッ!格納庫の輸送船から煙と炎が出てる!」
「……それって……」
「ああ!輸送船の中のコンテナからサメが逃げ出したってことだッ!!!くたばってなかったんだッ!!」
ブリーフィングルームには続々とパイロットたちが集合する
そこに白衣姿のスージーが紛れ込んできた
「なんだよ、スージー?こんなところまで」
「大変よ、捕獲したサメの…」
「知ってるよ、また捉えるさ」
「違うのよ!輸送船にスキャン装置を持ち込んでボディを調べていたの!
あのサメ、身体は高粒子のナノスキン・テクノロジーが使われていたのよ!」
「どういう事だ???生物じゃなくて人工物ってのか??アレが??どう見たって生きてたぜ?」
「ナノスキン・テクノロジーは顕微鏡レベルの粒子よ?見分けはつかないわ
人工生命体か、機械の表面にナノスキンがコーティングされているか……
ビーム兵器も分解されるし、質量兵器でダメージを与えても時間があれば損傷部分を自己回復していくわ!」
「そんなの、倒せねぇじゃねぇかッ!?」
「もう一つ、これはまったく謎なんだけど…、
救助されたダニエル・ワトキンスの身体からもナノスキンが検出されたわ」
「接触したら、感染するってことなのか?
感染したらどうなる?」
「ダニエル・ワトキンスは意識を失ったままよ
細胞レベルの侵入があるのかもしれないわ」
「どうしろ、てんだよッ!!」
マットは妻に怒鳴っても仕方ない事ぐらいはわかっていたが、怒鳴らずにはいられなかった
「少し考えがあるのだけれど……」
妻スージーは自信無さげにため息をついた