シャーク×ロストコロニー みにくいケイトはもう逃げない
第9章 ラスト・バトル
マット中隊は招集をかけるがザックとエイミーと連絡が付かない
「アイツら!どこ行っちまったんだ!?」
「隊長、メカニックたちによるとあいつら車を出して街へ行ったらしいぜ?」
「街?」
そのときマットと並んで立っていたジェームスの端末に緊急通信が入った
「ああ、俺だ、ジェームスだ!どうした?
なに?ザックから緊急回線??」
横にいたマットたちも聞き耳をたてる
「お前、今どこに……ッ!
なんだとッ!? 街にサメが現れた?
はぁ??ジムⅢを持って来い、だと!?」
マットはジェームスの隣で頷いた
「トゥーブス!ジョー!あいつらの機体を担いでこい! ジェームス、俺達が先行しよう!」
基地にスクランブル警報が鳴り響く
先行するマット機とジェームス機は港から宇宙側ではなく、搬入路の通路を抜けていく
いくつかの隔壁を開けては進む
そしてコロニー内部の空へ飛び出した
2機は自由落下しながらゆるやかに斜面へ着地する
「マット、スージーが言っていたのは何だ?」
「ああ、そのことか?何日か前にダニエル・ワトキンスの身体から取り出した検体のデータを、サイド1のブリガドーンってコロニーに調査を依頼していたんだそうだ、そこの研究所から〈抗ナノスキン細胞〉を運んでくれるってハナシだ!
まだ届いちゃいねぇけどなッ!」
「そいつが届いたらこっちに回してくれるのかよ? ソイツで無効化できるってのか??」
「あくまでサンプルだってよ、やってみなきゃわからん」
「やれやれ、毎回行き当たりばったりだな」
「ぼやくなよ?今はザックたちと合流して、街を守るんだッ!!
あそこにはまだまだ人が住んでるんだ!
それに……あそこの店にはとっておきの酒をキープしたままなんだ」
「それを聞いてやる気が出た!俺も拝借するからな!!」
2機のジムⅢは荒れた急斜面をゆっくり降りていった