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恋慕

第27章 墓石の前で…



「何を言っておる…我も罪を被るゆえ…」

 と、切なそうに弦に伝えた…


「こんな、おいらでも…お前は…
受け入れてくれるのか…?」


「当たり前じゃ…我も悪かった…
これからは寛容な心を持って
そなたに尽くす…だから…
独りにしないでくれ…我の人生を、
そなたに捧げようぞ…だから、
そなたの人生も我に捧げてはくれぬか…?」

 朕は、そう言うと結っていた藍色の
組み紐を弦の左手の薬指に結んだ…


「…ここで契りを交わすのかよ…
最高の場所だな…
おいらの人生…朕にくれてやるよ…」

 弦も、そう言うと結っていた紅色の
組み紐を朕の左手の薬指に結んだ…

 ふたりは満月の夜…星空の下…
今は亡き友の墓石の前で口づけを交わした…

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