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恋慕

第27章 墓石の前で…


【墓石の前で…】

 朕と弦は無事に…墓石の処まで辿り着き…
木の幹に横たわる…


「今…そなたの爪を治してやるからな…」

 朕は残り僅かな秘力を使い…
弦の爪を治した…


「おいらの爪は、どうでも良いよ…
それよりも、お前の頬に傷が付いたのが…
許せなかった…
おいら…仲間を殺しちゃったよ…」

 と、弦の手は震え…泣きじゃくっていた…


「そなたは悪くない…我とて、
逆の立場なら…裏切り者を殺していた…」

 朕は弦を優しく抱き締め…
頭を撫でてあげた…


「どうしよう…おいら…もう…お前とは…
一緒には…居られないよ…早く、
おいらを置いて…別な場所へ逃げて…」

 と、弦は朕にそう言って…
子供のように泣いていた…

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