恋慕
第30章 決別…弍
弦の父
「あっはっは~…っ!!弦よ…初めて師範殿
に誉められたな~っ!!お前との幾度となく
酒を酌み交わしたこと一生忘れぬ…」
弦の母
「ほら…っ!!
これを持って早くお行きなさい…」
と、酒壺を弦の方へ投げ
弦は、それを受け取った…
弦
「うわぁ…あっぶねぇ~割れる所だった…」
朕の父
「よもや、よもや~…
我らは戴く物ばかり…
朕よ…弦を大切に扱いなさい…」
朕の母
「そうよ~…決して…壊さないように…
鳴かせて上げたいのは分かるけど…」
と、何だか…変な意味に聞こえるが…
師範殿
「もう、お別れの挨拶は宜しいですね…」
と、師範殿に無理矢理、
開かれている扉の向こう側へ…
朕
「よもや、よもや~…
まだ親孝行は、しておらぬぞ…」
弦
「こんな別れは嫌だっ!!」
『情を移すな…縁は絶えぬっ!!』
朕と弦の両親の声と共に
同時に扉は閉まって…消滅した…