恋慕
第10章 祭への想い…
【祭への想い…】
終戦後…長い年月を経て…
シャンも大人達に護られながら…
生き長らえる事が出来た…
シャンは十七歳になり…
祖国で…祭の居る国と同じ様に…
結界が施されている楽壇で過ごし…
鍛練に励んでいた…
まつりは無事だろうか…
くぅも無事だろうか…朕や弦…師範殿も…
シャンの息抜きは…
一月程しか続かなかった祭から届いた
手紙を読む事だった…
大規模な戦で貨物船は滞り…
手紙は送れず…
だけど、シャンは、いつか逢えるのを信じ
逢えた時の為に手紙を書き続けた…
今度は直接この手紙を祭に渡す想いで
書き続けたのだ…
僕は無事だよ、と早く祭に伝えたい…
シャンは、それだけを胸に刻んだ…
すると、その想いが通じたのか…
祭から一通の手紙が届いた…