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ぼくはキミを追い払えない 〜エクソシズム†ロストコロニー

第1章 悪魔祓い


少女エレンの肉体に取り憑いた悪魔の名前は

ブラッディ


苦しみから耐えられず、名前をさらけ出してしまった



老神父マックスはふたりに合図してここが少女から引き剥がすときだと促した



「神の名によって命ずるッ!
 ブラッディよ、お前は何処からやって来た!
 なぜこの少女に取り憑いたッ!?」



マックス神父の厳命に悪魔ブラッディは逆らえない



少女は部屋の本棚にあるひとつの置物を指差した



それは古ぼけた骨董品のように見える


フィルはあっ!と声をあげた



今でも覚えてる!まだエレンが勝ち気な少女のとき、学校で行われていたバザーでフィルがエレンに買ってあげた小さな人形だ

人形劇といっても不気味な形

それは半魚人のような不思議なデザインをした置物だった


バザーでは外国のものと言われてエレンが興味を示したのだ



それが悪魔が封じ込められてた遺物とも知らずに



フィルは急激に青ざめた


まさか自分のせいでエレンはこんな事になってしまったというのか



激しく後悔していく


恐ろしさがフィルの心の中で広がっていった


その動揺は悪魔に知られてしまった


悪魔に憑かれた少女がフィルの心臓目掛けて黒い唾を吐いた


マックス神父は咄嗟に自分の身を投げ出してフィルをかばうことが出来たが、悪魔の唾はマックスの心臓の位置に付着する


するとそこからシュワと酸をかけられたように聖衣が溶け出した


マックス神父は痛みに耐えながら十字架を掲げ、悪魔を動けないように封じた


「大丈夫ですか、神父マックス!」


ジェームス神父が寄り添う


「大丈夫です……、急ぎましょう
 引き剥がすなら今が最期のチャンスです!
 皆で神の言葉を強力にします!
 フィル君、キミも大丈夫かね?」



フィルは自分のせいでエレンが苦しんでいる事で深い後悔といま自分がすべき事を知って、何とか気持ちを奮い起こすのだった……



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