ぼくはキミを追い払えない 〜エクソシズム†ロストコロニー
第1章 悪魔祓い
「フィル、落ち着きなさい
ジェームスの言葉を信じなさい
本当に苦しんでいるのはエレン本人なのだ
キミに危害を加えようとする身体を制御できないから彼女は苦しんでいるんだよ」
老神父マックスは諭すように語った
すると
さっきまで少女の声を発していたエレンがまたもや低い男のような声を出してきた
「フィル……この女はキミのことが好きなようだ、キミを手に入れたいと願っているようだぞ? それだけじゃない、キミに抱かれたがっている
まだ14の歳でもこいつはオンナなんだなぁ
抱いてやれよフィル?
お前も抱きたいだろう?
本人同士が求め合ってるんだ、誰にも止める権利は無いよなぁ?
それが神でもよぉ…??」
エレンはニタニタしながら他人のように話す
だが、その言葉のあとエレンは涙をつー、と垂らしていった
それは少女の肉体のなかに小さく残るささやかな抵抗のようにフィルは感じた
「神父さま、続けましょう!
言葉は悪魔のものですが、エレンは抵抗しています!我々も抵抗しましょう!」
フィルの言葉にマックスもジェームスも頷いた
「ハハハハ!バカな女だ!
コイツの代わりに喋ってやったというのに!
泣いてやがる!
お前はもう俺のものになったというのに!
こうしてやってもお前の肉体は抵抗できないのだ」
そういうとエレンの首はゆっくり背中を向くように後ろへ回っていき、信じられないことにそのまま一周ぐるりと周ってケタケタ下品な笑いをし始めた
「この悪魔めッ!少女の身体から離れろ!
神の名によって命ずる!
離れよッ!!」
マックスは少女の額に十字架を押し当てると、突然家畜の焼印のような煙が噴出しだした!
「ぎゃあはああああッッッ!!!」
「お前は神の力に逆らえない!
お前の力は神の前では抗えない!
神の力によって命ずる!
お前の名前を言えッ!」
「ば、ば、ば、ば、ばッッッ!?
熱い!熱い!熱い!
ブラッ デ イ…
ぎゃあはああああッッッ!?」
遂に悪魔は名を告げた!
名前を知られると言うことは、その力を封じられるという事なのだ!