ぼくはキミを追い払えない 〜エクソシズム†ロストコロニー
第1章 悪魔祓い
0080年、長いようで短かった戦争も終わって人々は復興事業で賑わっていた
イギリスの片田舎で暮らすフィルことフィリップ・バートンは母の言いつけで隣の家まで食材のおすそ分けを持っていくところであった
隣といっても昼でも薄暗い雑木林を越えて、幼馴染が暮らすバースティン邸を訪れる
昔は毎日この雑木林を抜けてエレンに会いに行っていたものだ
幼少のフィルはとても引っ込み思案で同級生ともまともに話しも出来ず、常に怯えてすごしていた
唯一の友人、それが隣家のエレン・バースティン
彼女はとても勝ち気な少女でお転婆を絵に書いたような活発さでクラスの人気者であり中心にいつも居る
隠れるような学校生活であったフィルにやさしく接してくれ、ときにはクラスの暴力的な同級生からも守ってくれたのがエレンだ
幼少の頃からエレンは同年代でありながらフィルの保護者であった
女にかばってもらって情けない、とは当時は思わなかった
エレンにとってフィルは弟であり、
フィルにとってエレンは姉であった
不思議なものでミドルスクール(5年制の中等教育)に通うようになってめっきりエレンはおとなしくなり、逆にフィルは活発な少年になっていった
さらにだんだんとエレンは引っ込み思案な少女となっていき、活動的な少年となっていたフィルと逆転してしまっていた
それ以降エレンとフィルの交流は途絶えたままであったので、久しぶりに行くバースティン家に赴くことにフィルは億劫になっている
いまさらどう顔を合わすべきか
フィルが玄関のベルを鳴らす
中に人の気配はするが、誰も出てくれない
何度かベルを鳴らすが、いま取込み中なのか騒ぐ音だけが聞こえて動きがない
どうしたものか、玄関先で考えていたところ突如恐ろしい叫び声が聞こえてきた
どうやら二階で揉め事が起こっているようだ
つまらない母のおすそ分けは今夜でなくても良いのではないか、と帰ろうとしたとき
二階のガラスが割れる音とともに、フィルの目の前に人が落ちてきた
ドサッと落ちてきたそれはもう動かなかった
気が動転するフィルだが、その落ちてきた者が近くに住む見慣れた神父であることに気がついた
神父は死んだ
イギリスの片田舎で暮らすフィルことフィリップ・バートンは母の言いつけで隣の家まで食材のおすそ分けを持っていくところであった
隣といっても昼でも薄暗い雑木林を越えて、幼馴染が暮らすバースティン邸を訪れる
昔は毎日この雑木林を抜けてエレンに会いに行っていたものだ
幼少のフィルはとても引っ込み思案で同級生ともまともに話しも出来ず、常に怯えてすごしていた
唯一の友人、それが隣家のエレン・バースティン
彼女はとても勝ち気な少女でお転婆を絵に書いたような活発さでクラスの人気者であり中心にいつも居る
隠れるような学校生活であったフィルにやさしく接してくれ、ときにはクラスの暴力的な同級生からも守ってくれたのがエレンだ
幼少の頃からエレンは同年代でありながらフィルの保護者であった
女にかばってもらって情けない、とは当時は思わなかった
エレンにとってフィルは弟であり、
フィルにとってエレンは姉であった
不思議なものでミドルスクール(5年制の中等教育)に通うようになってめっきりエレンはおとなしくなり、逆にフィルは活発な少年になっていった
さらにだんだんとエレンは引っ込み思案な少女となっていき、活動的な少年となっていたフィルと逆転してしまっていた
それ以降エレンとフィルの交流は途絶えたままであったので、久しぶりに行くバースティン家に赴くことにフィルは億劫になっている
いまさらどう顔を合わすべきか
フィルが玄関のベルを鳴らす
中に人の気配はするが、誰も出てくれない
何度かベルを鳴らすが、いま取込み中なのか騒ぐ音だけが聞こえて動きがない
どうしたものか、玄関先で考えていたところ突如恐ろしい叫び声が聞こえてきた
どうやら二階で揉め事が起こっているようだ
つまらない母のおすそ分けは今夜でなくても良いのではないか、と帰ろうとしたとき
二階のガラスが割れる音とともに、フィルの目の前に人が落ちてきた
ドサッと落ちてきたそれはもう動かなかった
気が動転するフィルだが、その落ちてきた者が近くに住む見慣れた神父であることに気がついた
神父は死んだ