ぼくはキミを追い払えない 〜エクソシズム†ロストコロニー
第3章 シモンズ・シモーヌ
3機のリックドムが宇宙空間を漂っている
微調整のスラスターを使うこともなく、3機はしっかりと三角形のフォーメーションを維持していた
やがてコロニーの外壁に近づくと姿勢を変えて、外壁にゆっくり着地した
グポン!と1つ目のモノアイが輝き、左右上下に動き出す
辺りを警戒したあと、3機はコロニーの外壁の上を歩いていった
円柱シリンダータイプのスペースコロニーは通常両端が港になっており、外部から侵入する事ができる
シリンダーの円周部分はコロニー内部の地面であり、光を取り入れる巨大なミラーのため、入ることは出来ない
ただこの25バンチコロニーはシリンダーの真ん中あたりに巨大なハッチがあり、モビルスーツや運搬船を取り込む事が可能だった
リックドムは中間地点のハッチまでやってくると屈みこんで手動でハッチを開けた
3機はゆっくりスラスターを吹かせてハッチへ入っていった
中はとても広く通路の先は格納庫のような場所になっている
3機はゆっくり格納庫のモビルスーツ用ハンガーにもたれかかり、土台ごと壁に吸い寄せられた
ゆっくりコックピットへ通ずるタラップが伸びてくる
すべてが自動制御されていた
3機からパイロットが降りてくる
外壁側から侵入してきたためシリンダーの自転によりすでに重力があった
3人はタラップを歩いて外壁の通用口から中へ入った
そこはエアロックになっていて簡易的な密室になっていた
すぐにエアーが吹き込んてくる
まだ充填中のマークが光っていたが、3人は構わずヘルメットを脱いだ
男ふたりと女がひとり
「ふぅ、遅すぎるぜ」
「さっさとシャワーを浴びたいもんだ」
「その前に定例報告よ、アンタたち!
またサボって私ひとりに押し付けないでよね」
「わかってるよ、シモンズ」
3人が会話終えたあと、エアロックの表示が〈充填完了〉のマークが出た