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アパート

第3章 2階へ

僕と里見は、101号室の横の階段を、2階へと向かって登った。僕が前を歩き里見が後に続いた。

2階に上がると、通路は意外と明るい。

里見は僕のTシャツを掴んで、

「ごめんなさい!怖いので掴んでて良いですか?」

と言ったので僕は、

「そうですね!僕が先に逃げないように掴んでいてください!」

と言った。里見は、

「谷川さんはそんな人じゃないと信じていますから…。」

と笑った。そうしているうちに、203号室の前に着いた。僕と里見は耳を済ませて中の様子を確認しようとしたが、物音らしき音はしない。

僕が、小さな声で、

「ドアをノックしてみましょうか?」

と言うと、里見も小さな声で、

「ちょっと怖いですよ!ノックは止めませんか?」

と言った。僕は、

「そうですね!怖いですね!」

と言って、ノックするのは止めた。

しばらくそこで物音を確認するが、特に音らしき音もしない。

里見が、

「音しないですね!」

と言い、僕も、

「そうですね!」

と答えた。

里見は、

「一旦戻りましょうか?すみません、変なことに付き合わせてしまって…。」

と言った。僕は、

「いいえ、女性一人で確認しに来るのは怖いですよ!戻りましょう!」

と言って、下に降りた。

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