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そんなある日、いつものように、チャイムを鳴らし

「谷川さんいる？ちょっと話したいことがあるんだけど…。」

と、里見がインターホンで呼んだ。

もう、その頃には、敬語ではなく、普通の友達のような話し方に変わっていた。そして僕も彼女のことを里見さんではなく、さやちゃんと呼ぶようになっていた。

ここからは、里見ではなく、沙耶香と言うようにする。

僕はドアを開けて外に出ると、沙耶香はいつものように、

「ねー、谷川さん！聞いて！？あのね…。」

と言って、僕に話しかけた。

沙耶香は、Ｔシャツにジーンズという普段着姿で現れた。ふっくら丸みを帯びた体型が可愛らしい。

僕は、沙耶香が来るのを待っていた。これだけ仲良くなってきたのだから、食事とかに誘ってもＯＫしてくれるんじゃないかと、次の日曜日予定してもらえないか沙耶香に聞こうと思っていたからだ。だから、心なしか緊張してしまっていて、沙耶香の話を上の空で聞いていた。