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アパート

第4章 隣人

2階に物音を聴きに行った日から、里見は度々僕の部屋のチャイムを鳴らし、僕に相談というか話をしに来た。

「アパートの掃除用に箒はあるけどチリ取りがないから、大家さんに話してみようかな?」

「アパートの駐車場に草が沢山生えてるから、住人で取るようにしたほうが良いかな?」

など、アパートの大家さんか管理人、住人の代表者等が考えることと思われる用事で、僕に話をしてくるようになった。

それを繰り返して、里見と僕は、時間を忘れるくらい話をするようになっていた。

そのうち僕は、里見が僕と話しがしたくて、その口実として共通の話題になるアパートに関する相談を持ち掛けてきているというふうに感じるようになっていた。一見、里見は、そこまで積極的に男に話しかけてくるような感じの人ではないからだ。

もしそうなら、顔や雰囲気は好きなタイプだし、こんな大人しい感じで話し方も穏やかで、体型的に色気があるというか、スタイルも好きなタイプなので、もっと仲良くなれたら良いな!と、密かにウキウキしていた。

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