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第7章 人間もよう

次の日の朝、ドアがバタンと閉まる音がしたので、ドアを開けてみると沙耶香が出勤するところだった。僕は、沙耶香に、

「おはよう!」

と声をかけると、困ったような表情をして軽く頭を下げて、そのまま車に乗り込むと、見送っている僕の方を見ずに、沙耶香は、車を走らせ僕の前を通り過ぎ、駐車場を出て行った。

思った通り、沙耶香は僕と付き合うことを許してもらえなかったのだ。

沙耶香は、先生という人にやっぱり洗脳されているんだと思った。それは、おそらく沙耶香を守るためだとは思うのだが、あの様子から相当怒られたのかもしれない。

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