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リバース!(R-18)

第5章 攻撃は最大の防御?

「好きだよ。ルーシー」

「いやいやいやいや」
そういえば、ごく自然にあたしの名前呼んでるし。

グランが胸当てに手をかけたその時、剣の刺さった木の陰から人が出てきた。

「……あ」

「あっ…」

昨日とは別の、口もとを布で覆い隠した男性だった。一瞬その場の全員が固まるが、出てきた男性が笑顔で気さくに話し始める。

「今夜も星がきれいですね~。そうやって寝転がると、視界いっぱいに星空が広がって美しいですよね」

「…そ、そうね」
よし、この隙に反撃のチャンスを…。

「ではまた」
男性は一通りしゃべり一礼すると、くるりと後ろを向く。

い、いかないで~!

ルーシーの心の叫びも虚しく、男性は元来た方へ消えていった。

「さ、続き続き」
グランはルーシーの胸当てを外し、キュロットとスパッツ、下着を下ろした。続けて自身のローブをパサリと脱ぎ捨てると、ズボンにも手をかける。

「…え?」
ルーシーの顔がひきつる。

「気持ちよくなる魔法。かけてあげる」
自身を露にすると、ルーシーの手首をつかんで地面に押しつけた。

魔導師だもんね。…って、いやいや!

「ちょっとちょっとそれはほんとに待って!さすがにいれるのはっ…!あたしもそこまでしてないでしょー!!」

「いいからいいから」

「よくないっ!!」

この前…この前どうやって逃げたっけ――!えっと…!!

必死に思い出す。

なんかいろいろ叫んだら急に暴走をやめたような…。


「起きて――起きろ!目を覚ましなさい!!元に戻りなさいグラン・モルトーーッッ!!」
ルーシーはとにかく思いつく限りを叫んだ。と、グランは動きを止める。


「またおまえか」
あからさまに嫌そうな顔をする。

「あ、あれ?」
ただの暴走やからかっただけにしては妙な変わりようだ。

「あんた、グラン・モルト?グラン・モルトね!?」

「どう見てもそうだろ。何いってんだ」

「あー、グラン・モルトだ。よかった。大変な目にあうところだったわ。…まったく、なんで覚えてないのよ」
ぷりぷりと怒るルーシーを、グランがじっと見つめたまま動かない。

「ていうか早くどいてよ」

「おまえさ…」

「何よ」
まさかまだ何かするの?いや、でもさっき…。


「おまえ、髪きれいだな」
押さえつけたまま、砂地に広がるルーシーの赤い髪を見て言った。

「…はあ?」

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