リバース!(R-18)
第6章 変態タレ目ナルシストに昇格おめでとう
「お二人とも、ここまで本当にありがとうございました。おかげさまで無事たどり着くことができました」
町につくと、依頼主の男性が笑顔で言った。
「いえ、あたしたちは何もしてないんで」
「何事もなくてよかったです」
ルーシーもグランも、あの怪しい男二人のことは完全に忘れていた。
「いえいえ、お二人のおかげです。また機会があれば、そのときは是非よろしくお願いします」
それでは、と依頼主とはここで別れた。依頼主の姿が見えなくなるまで見送ったとき、ルーシーがくるりと振り返った。
「報酬、半分渡して」
ルーシーが手を差し出して言った。
「あとでな」
「今渡して」
「だめだ。今おまえに渡したら何に使うかわかんないし。…それに、おまえ一人で砂漠越えるなんて無理だろ。どうせ戻るまで一緒なんだし、俺がまとめて管理してやる」
グランが言うと、ルーシーがぴくりと反応する。
…忘れてた。帰りもあるんだった…。また何日もかけてあの砂漠を通らなきゃいけないじゃないの…。
「ひ、一人で帰れるわよ!あんたとはここでお別れよ、報酬よこしなさいよっ!」
「とりあえず今日はこの町で休んでくか。ほら、宿取るぞ。同じ部屋でいいだろ」
「はあっ?」
「帰りもよろしく、ルーシー?」
グランはルーシーの腰をすりすりと撫でた。
なっ…!!
「絶ッッ対よろしくしないからっっ!!」
結局ルーシーは、この町で一泊、砂漠で三泊の間、またグランと仲よくするはめになった。
後日談として、グランはその後も、度々ルーシーの部屋に訪れてはちょっかいをかけるようになったという。ルーシーは再び自室に籠るようになり、誰が何と言おうと決して扉を開けなかった。
――完――
町につくと、依頼主の男性が笑顔で言った。
「いえ、あたしたちは何もしてないんで」
「何事もなくてよかったです」
ルーシーもグランも、あの怪しい男二人のことは完全に忘れていた。
「いえいえ、お二人のおかげです。また機会があれば、そのときは是非よろしくお願いします」
それでは、と依頼主とはここで別れた。依頼主の姿が見えなくなるまで見送ったとき、ルーシーがくるりと振り返った。
「報酬、半分渡して」
ルーシーが手を差し出して言った。
「あとでな」
「今渡して」
「だめだ。今おまえに渡したら何に使うかわかんないし。…それに、おまえ一人で砂漠越えるなんて無理だろ。どうせ戻るまで一緒なんだし、俺がまとめて管理してやる」
グランが言うと、ルーシーがぴくりと反応する。
…忘れてた。帰りもあるんだった…。また何日もかけてあの砂漠を通らなきゃいけないじゃないの…。
「ひ、一人で帰れるわよ!あんたとはここでお別れよ、報酬よこしなさいよっ!」
「とりあえず今日はこの町で休んでくか。ほら、宿取るぞ。同じ部屋でいいだろ」
「はあっ?」
「帰りもよろしく、ルーシー?」
グランはルーシーの腰をすりすりと撫でた。
なっ…!!
「絶ッッ対よろしくしないからっっ!!」
結局ルーシーは、この町で一泊、砂漠で三泊の間、またグランと仲よくするはめになった。
後日談として、グランはその後も、度々ルーシーの部屋に訪れてはちょっかいをかけるようになったという。ルーシーは再び自室に籠るようになり、誰が何と言おうと決して扉を開けなかった。
――完――