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一夜限りでは終わりたくない

第2章 曖昧な関係


この家は朝食を家族全員で食べるようだが、夕食はそれぞれの予定に合わせて個々に頂くようだ。

私は一人で食堂に通されて、夕食をもらっていた。
住む場所ばかりではなく、衣食住すべてお世話になってしまい恐縮するばかりだ。

藤堂副社長の言っていた、お見合い攻撃も考えてみれば当然のことだ。

確か藤堂グループ直系の御曹司と言っていたので、早く身を固めて跡取りとなる子供も必要なのだろう。
あれだけのルックスを持つ藤堂副社長なのだから、お見合いにエントリーしたいご令嬢は山ほどいるはずだ。

ただ、私なんかでカモフラージュしなくても、彼女はいないのだろうか?

考えるとなぜか胸が締め付けられる。

私はまだ自分の気持ちに気づいていなかったのだ。

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