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一夜限りでは終わりたくない

第3章 元カノ


すると藤堂副社長は皆を見ていきなり大きな声で笑い出したのだった。
皆が息を飲んで固まっていると、藤堂副社長は皆に向かって話し始めた。

「騙されて誘惑された上司とは俺のことだろ?桜井さんが今どこに住んでいるか、いくらでも教えてやるよ。俺の家で一緒に住んでいるんだ。」

その場に居た皆は驚き過ぎて言葉も出せないようだ。

(…翔也!!なんてことを皆の前で言うの!!…)

さらに藤堂副社長は私の肩に手を置いた。

「皆は誤解しているようだが、桜井さん…いいや、奈々は俺の恋人だ。俺は近々彼女にプロポーズしようと思っている。」

私は慌てて声を出した。

「な…なにを…仰っているのですか!!」

すると藤堂副社長は私の方を向いて微笑んだ。

「奈々…俺を庇って自分だけ悪者になるのはやめろ。堂々としていればいい。」
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