デリヘル物語
第4章 take4
アラームが鳴り止むと、僕は谷崎に尋ねた。「谷崎さん、さっきから鳴っているそれは、いったいなんなんすか?」
谷崎は腕に巻かれた時計?のようなものを弄りながら答えた。「これはな、まあ、この辺りの異常を知らせてくれるものなんだ」
「なんすか、それ…………んっ、でも」
僕はそこである事に気が付いた。前回と、前々回はそのアラームがなった直後に時間が巻き戻った……いや、あれははたして、巻き戻った、と言えるのか。不明なところはあるが、とにかく、タイムリープはしていた。なのに今回はなにも起きていない。
だから僕は谷崎に聞いた。「谷崎さん、今回は、なにも起きないみたいっすね、それが鳴っても」
時計を弄っていた谷崎はそれをやめて僕を見た。「いや、残念だけど高橋くん、もうすでに起こっているよ、ループは……」