デリヘル物語
第1章 初めてのおつかいならぬ初めてのデリヘル
「僕がこうなったのは、あんたのせいだろうが……!はぁはぁ……」
「え、私――ですか?」男は意外だと言う顔をしてから「高橋さん……正直、私に興奮されても困ります。私はあくまでも、ボーイとして――」と、なにやら言いにくそうに言った。
「誰があんたにするか――つか、照れてんじゃねえよ!それになぁ、これは、そっちのはぁはぁじゃねぇからな!……はぁはぁはぁ……」
「あの高橋さん……」
「な、なんだよ、今度は?」
「あの、高橋さん、もう少し声のボリュームの方を落とした方が良いんじゃないですか。やはりこ
んな時間なんで……」
「そっ、それは、さっきからずっとこっちのセリフじゃい!」
僕が右手に握っていたお札は、既にお金としての効果を発揮するかどうか、怪しいものだった。