ヤリチン野郎と一途くん
第22章 すれ違い
蘇芳の耳は非常に良い方だ…
いつもヘッドフォンをしているせいか…
ヘッドフォンを外した時…
遠くからでも鮮明にクリアに聞こえる…
瑠璃と…もう、ひとりの人物…
聞いた事のない声…
ふたりは、とても親しげな関係…
なんか…瑠璃の口調に…ムカついた…
俺以外に親しくしないで欲しかった…
羊さん…?刺青…?ヤクザ…?日本刀…?
そーいえば…
俺…瑠璃の事…何も知らない…
俺の事…好きって言ってた…
あれは…友達として…だよな…?
瑠璃は好きな人に
フラれちゃった…って、言ってた…
瑠璃の事を知りたい…もっと知りたい…
蘇芳は、やっと屋上に、たどり着き…
息を整え…ドアノブを回した…