テキストサイズ

ヤリチン野郎と一途くん

第23章 冷戦状態

 
 一方、瑠璃は…

 蘇芳の隣に居ると息が出来なくて…
おかしくなりそうだったので食堂の入り口で
 蘇芳を待つ事にした…

 只でさえ暑いのに…
更に久しぶりに蘇芳に声を掛けられ…

 身体が火照る…
窓から湿った空気が心地良い…

 話って何だろう…
聞きたくないような…聞きたいような…

 もう、これ以上…傷つきたくないよ…

 瑠璃は窓の風景を眺めていた…
蒼穹に綿あめみたいな入道雲…

 裏庭には木々が生い茂り…
日陰から聴こえる蝉の鳴き声…

 物思いに浸るには、ちょうど良い…

 もう、いっぱい、いっぱい泣いちゃったし
気持ちを切り替えなきゃな…

 いつまでも、ウジウジしたって
しょうがない…

 ちょうど、その時…
後ろから自分の名前を呼ぶ声がした…

ストーリーメニュー

TOPTOPへ