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これってほんとに整体!?

第1章 嘘でしょ?!

『瑞樹さん』

『はい…?』


彼は私の耳元で、


『…なにと勘違いしたんですか?』



低く、甘く痺れるような声で囁いた。

彼の吐息がくすぐったくて、思わず身を捩った。


『なななな、何って!!?』



『ふふっ、動揺しすぎですよ?』



そう言うと響さんは見慣れた古いドアをあけた。


カランカラーン、と鳴るこのベルの音を、幾度となく聞いてきた。


『ここでやってくれるんですか?』

『はい。それともどこか別の場所でしましょうか?』


『いえ…』


いつもはおばあちゃんがいた受付も、今は誰もいない。

いつもはあのおじいちゃん先生が笑顔で迎えてくれた診察室に、その笑顔はない。


なんだか、胸が苦しくなった。

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