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【お題小説】さいごのねがい(4ページ完結)

第1章 「色の無い世界」

そういえば

最近は生きている人間を見かけない



世界が変わってしまって数ヶ月



それでも3日に一度くらいは追われる人間を見かけたりしてた


助けたりはしない


ヤツラに見つかったが最期


とてもじゃないが逃げられない


助けてあげる義理も無い


運が悪かったんだ



ボクの片脚もいよいよ感覚がなくなってきた




視界もぼやけてきているよ


もう以前のように鮮明に見えないのが残念


以前はあんなにカラフルな世界だったのに



今ではすべてがグレー、一色の世界



ここから動くことも出来ず、最期に身体が朽ち果てるのを待つだけ


この椅子に座って、もはや数ヶ月は経つ



何も食べられないのは確かにツラい



腹が減るのがツラいんじゃない

抑えらないのは飢餓感なんだ



そう、ヤツラに噛まれたのは数ヶ月も前なんだ



ボクはすでにゾンビになっているんだった……


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