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Lovers Game 〜光と影〜

第11章 人間くさい生き方

『…影山さん?!・・・お久しぶりです♪』


『…ぉ・・・おう・・・ォカエリ、久しぶりだな』



その陽気な声につい反応して
廉を抱き上げて声のする方に背を向けていた

咄嗟に立ち上がった後で…廉の体を隠した後で良かった



『珍しいですね♪どうしたんすか?…あ~、もしかして
オレ…すんませんなタイミングでした?・・・なんて』


『・・・~』


あぁ、まったくな

その意味は全然違うけどな



状況に反して無邪気も無邪気すぎる晴人が
ガキなりの想像を膨らませて少しニヤけて茶化す




廉を抱えて、晴人とすれ違うように
さっさと玄関へ向かう

なるべく…晴人に廉の顔・・・姿がみえないように。




『あのな晴人…姉ちゃん・・ちと具合悪そうだから
今日は医者に連れてくわ』


『え・・・?』


晴人が明らかに狼狽えた



『季節の変わり目だしな・・・

風邪でも引いたんだろ・・・心配ねぇよ』



『は…?…ぁ、、はい。姉ちゃんが・・・風邪ぇ?

ゃ、あの…影山さん、それならオレが・・・』



そう言いながら、晴人が目にとめて拾い上げた
床に転がったスポーツドリンクを差し出して来る



『・・・・捨てろ』



『え・・・』



『いいから、それは捨てろ…すぐに』



『・・・?』



『晴人・・・!』



『ぁ・・・は、、はい』



咄嗟に怒鳴った俺に言われるままに
晴人がペットボトルを開けてシンクに中身を捨てた




『おい晴人・・・自分の事、自分でできるな?お前』



『?・・・はい…』



『とりあえず行くから、なんかあれば俺に連絡しろ』



『・・・』



なんとか理由をつけて、早く立ち去りたい

そんな俺の焦りが伝わらないように

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