
Kalraの怪談
第43章 四十三夜目:行っちゃだめ
☆☆☆
「その時くらいからかな。少しずつ学校行くようになって、結局ちゃんと卒業したよ。専門学校行って、今の会社入った。」
だいぶKは酔いが回っているようだった。
「出るのやめてさ、リビングの母さんの写真をちゃんと立てておこうと思って置き直したんだ。その時、久しぶりにまじまじ写真の中の母さんの顔を見たんだ。
あれ?こんな顔だっけ?って思った。
なんか、ものすごい眉間にシワ寄せて、怒ってるみたいな顔だったんだ。
それで、俺、そのまま布団かぶって寝ちまった。」
後で写真をもう一度見直すと、別に眉間にシワが寄ってなかったし、むしろ笑顔の写真だった、という。
この事があって以来、Kは母の日には欠かさずカーネーションを墓前に供えるようになったらしい。
その日、Kとは6時頃別れた。
駅ではまだカーネーションが売っていた。
俺はそれをちょっと見て、小ぶりのカーネーションの花束を買って帰ることにした。
「その時くらいからかな。少しずつ学校行くようになって、結局ちゃんと卒業したよ。専門学校行って、今の会社入った。」
だいぶKは酔いが回っているようだった。
「出るのやめてさ、リビングの母さんの写真をちゃんと立てておこうと思って置き直したんだ。その時、久しぶりにまじまじ写真の中の母さんの顔を見たんだ。
あれ?こんな顔だっけ?って思った。
なんか、ものすごい眉間にシワ寄せて、怒ってるみたいな顔だったんだ。
それで、俺、そのまま布団かぶって寝ちまった。」
後で写真をもう一度見直すと、別に眉間にシワが寄ってなかったし、むしろ笑顔の写真だった、という。
この事があって以来、Kは母の日には欠かさずカーネーションを墓前に供えるようになったらしい。
その日、Kとは6時頃別れた。
駅ではまだカーネーションが売っていた。
俺はそれをちょっと見て、小ぶりのカーネーションの花束を買って帰ることにした。
