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悪いオンナ…3

第1章 【癒しの彼女には両想いの彼氏が居て……】






「おんぶしようか?」なんておちゃらけたら
軽くボディータッチされて「ねぇ」って怒られる
ちゃんと歩けるそうです
どさくさに紛れて腕を掴ませ歩く
ゆっくり歩いて駅までの道のり
「あっ!」て言うからびっくりした



「今日ログインするの忘れてた!」ってゲームの話かよ
今ちょうどイベントやってて毎日ログインボーナス貰えるんだよね、僕はそんな事より彩花ちゃんとの時間の方が大事です
嫌だけど駅前に着いてバイバイしなきゃって時
掴んでた腕が離れない



「最寄り駅に着いたら電話くれる?家に帰るまで通話しとこ?心配だから」



「……………」



「彩花ちゃん?」



並んで立つと頭一個分の身長差
少しだけ顔を覗き込んでみると寂しそうに笑う
「どうしたの?一人じゃ帰れない?タクシー呼ぶ?」って心とは裏腹なセリフ
帰りたくない、とか言われたらどうする?
人生で言われた事ないからちょっと戸惑うけど
男なら一度は言われてみたいセリフだったりする
どうしよう、終電来ちゃうよ……



顔を上げた彩花ちゃんは目が合うと一瞬照れ笑い浮かべて、掴んでた腕を引き寄せ、耳元で囁くんだ……



「亮くん家、行ったらダメ?」



「え……っ」



やっばい、こんなの反則過ぎる
ダメなわけないけど、本当に良いの?
照れているのか顔は見せずに頭を預けてくる
グッと肩を抱き寄せた



「ダメ……じゃないです」



僕も真似して耳元で囁いた
駅前で抱き合う2人
心臓の音、バレてんじゃないかな
駅をそのまま通過し、少し歩いた先にある僕の家
「狭いけどどうぞ」って招き入れる
一目見て「あ、此処座っていつも話してた?」ってバレる
後ろからハグしたけど早かった?
ごめん、余裕ない……自分の部屋に彩花ちゃんが居るなんて





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