
微熱に疼く慕情
第3章 【甘く麻痺していく心情】
ベッドで寝そべり身を寄せ合う
腕枕されながら何度もキスした
どうでしたか…?私とのセックス
ハマってくれると嬉しいです
私も気持ち良かったですよ
ちゃんとイケたし
「可愛い、一華」
「それ言い過ぎです、恥ずかしい」
「思った事すぐ言っちゃうのダメなの?」
「今、余韻に浸り中なんであまり茶化さないでください」
「余韻?何それ、めちゃくちゃ興味ある、教えて」
「えぇ…?やっと先輩とひとつになれたなって…」
「え、めっちゃ可愛い事言うじゃん」
「もう〜茶化さないでってば」
「俺も嬉しい、一華とひとつになれた事」
「……はい、んふふ」
「照てるのも可愛い」
何してもそう言われるのですら計算済みなんですけどね
もうこのままモテ期を謳歌しようと思う
どのみち一時だけの火照りなんだから
どんなに想い合っても終わりが来れば呆気ないもの……
「えっ……帰るの?」
朝方、起こさないように支度してたつもりが起こしちゃったみたい
寝ぼけ眼の先輩は起き上がると「待って、俺も支度する」とか言って顔を洗いに行った
ヤバ……まぁ、でも、鍵とかわかんないから出る寸前に起こそうかなとは思っていたけどね
「あの、先輩、鍵だけ閉めてもらえれば」
「ごめんね、女の子って色々支度とかあるよね、家にも帰るだろうし、そういうの考えナシで泊まらせてごめん」
歯磨きしながらそれ言われても……クスッ
お互い今日も出勤日だからせめて駅まで…となりました
朝の5時半にも拘らず、一緒に出て来てくれた
今は誰も見てないから、と手を繋ぐ
少しずつ明るくなってきた
改札を通る前に、柱に隠れてキスもした
「見られちゃうから…」
「誰も居ないよ」
もう一回…が数回続いて終わる気ないでしょ、と笑い合う
見えなくなるまで見送られた
