
微熱に疼く慕情
第5章 【陶酔させてく純情】
「社員……旅行……そうか、この時期か……」
ついに来てしまった社員旅行
去年は確か行かなかったんだよなぁ〜
お休み利用して明島さんと温泉旅行したんだっけ……
そっちの方が断然楽しいじゃん
私、会社じゃ浮いてるし、喋る人も居ない
ていうか完全に避けられている
お局様は行く気満々みたいだし、今年も私は……
行かないわけにはいかないよね
彼氏が行くのに私が不参加なのは絶対拗ねるよね
2人で旅行……といっても真面目な先輩はそういうの良く思わないかも
ああ見えて体育会系なところあるし
2人旅行は別の日で…って言いそう
だとしたら面倒くさいんだよなぁ〜ってまた最低な思考が働いている
「一華はどの班になったの?」
ほら、目をキラキラさせて聞いてくるし……
仕事終わりに居酒屋さんで飲んでいる
「まだ、決まってないです」
「え、参加するでしょ?去年も楽しかったよ?」
陽キャだよな……眩しいくらい
去年知らないんですよって言ったら色々と言われそう
これはもしかしなくても強制参加だな
先輩はCグループで体験コーナーはいちご狩りだそう
いちご狩りって人気高くないですか?
まぁ、私は何でも良いんですけど
寧ろ、参加人数が少ないところが良い……
暗黙の了解で同じのにしなよって感じ
ていうか、相談せず決めちゃったんだ
本当、どうでも良いけどね
世の付き合ってるカップルがどんなルール敷いてるのかなんて知ったこっちゃないけど、これはアリなのか?
なんてね……
夜は2人で抜け出そう…とかリスキーですね
でも、付き合ってたらそんなもんかな
川沿い歩くの?虫居なきゃ良いけど
私としたい事たくさんあるってキラキラされたら
もう断れないな……
