
微熱に疼く慕情
第5章 【陶酔させてく純情】
あ、洗面台に忘れたまんまだ、危ない危ない……
「掛ければ良いんでしょ?」と眼鏡を掛ける前に
「触らないんですか?」って煽っちゃおうっと、エヘヘ
「な、何を?」ってわかってるくせに
「今、着けてないんですよ?」
「うっ………触るっ」
「アハハ、素直」
後ろからハグされて浴衣の上からおっぱい揉んでくる
乳首勃たせてくるよね、ダメですよ、揉み揉みするだけ
前襟の隙間から手を忍ばせて直接触ってくる
「んんっ……もうダメ、おしまい」
「あとちょっとだけ…」
キスで時間稼ぐつもりですね、この後、私だけが悶々とするじゃないですか
先輩の手を退けて向かい合う
首に手を回してキスの続き………
もう戻らなきゃ
何か、尾行が下手な探偵に見送られてる気分
クスクス笑いながら部屋へ戻った
もうあのぐちゃぐちゃした感情は微塵もない
不思議だな
先輩の言葉や仕草、誠意で機嫌直っちゃってる
これが付き合ってくって事なのかな
ちゃんと下着を着けて皆の目を盗み、
先輩とお散歩出来ました
万が一、もあるから手は繋がない
でもちゃんと好きな気持ち全面に出したよ
この時も眼鏡は掛けてない
旅館の近くに来たら眼鏡を掛けて
バイバイしたらこっそり部屋へと戻る
もう9時は過ぎていたからお局様は就寝
音を立てずに行動してベッドに戻った
翌日も朝食を食べて体験コースまで時間があるから
お土産屋さんでお土産選んでたら
営業部の田中さんにバッタリ会っちゃって……
「大丈夫だったみたいっすね!俺としては残念ですけど、応援してますね、色々と」
「う、うん……ありがとうございます」
リアクションに困っていたら不意に耳元で
「山岸さんとお付き合いしてます?」って聞かれて
咄嗟にビクついてしまった
