
微熱に疼く慕情
第8章 【壊れていく劣情】
「ちょっ…橘さん、ダメです」
「しーっ、静かにしないと誰か覗きに来ちゃうよ?」
「もしかしてこの為に呼び出したんですか?」
「本当に眠れないからだよ?火照ってるから抑えるの手伝ってくれる?」
「え……?」
もうしらばっくれるのおしまい……
踵を上げて唇を重ねる
触れたらもう抗うのもナシ
観念しなよ、して欲しかったでしょ?
この前してもらえなかったもんね
やっと順番回ってきたよ
舌は入れずに唇を甘噛みしてみる
柔らかいね、気持ち良い
固まってる身体にも触れて、ギュッと握り締めている拳を解し、指も絡める
「んふふ、やっと出来たね、嫌だった?」
ブンブンと首を振る堺くんに笑ってしまった
「明日の外来で退院日決まるって聞いたから、早く堺くんとこうしたくて呼び出しちゃった」
「僕じゃなかったらどうしてたんですか」
「来たから良かったじゃん」
「そう…だけど」
「ん?まだ何か言いたそうね?何よ、言ってごらん」
「彼氏さん居るのに何でこんな事……」
「何でだろうね?何でだと思う?」
「そ、そんなのわから…っ!?」
もう喋んないで良いからキスしようよ……
ほら、結局キミも受け入れちゃってる……
私のキスに抗えなくなってるんでしょ…?
「舌、出して……」
うん、素直……ベロフェラされて悶絶してる
「まだする?時間、大丈夫?」
「……する」
んふふ、堕ちたね
たっぷり可愛がってあげる
お口開けたまま舌絡ませてトロンとしてる
「まだ……まだキス」
「したいの?」
「はい……」
「これで最後だよ?この一回でお仕事戻ってね?」
「うん」
あはは、敬語じゃなくなってる、可愛い
自ら舌出して絡めてくるの
すっごい大胆じゃん………
