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微熱に疼く慕情

第9章 【歪んだ世界でも凛として…】






トイレに行って帰って来たらさ、今度は旺志郎くんが女子グループに声掛けられてて、道案内してたみたいだけど女子は旺志郎くんの事気に入ってるみたいだったよ
何か言われて断ってたけど、多分、インスタとか聞かれてたのかな?
面白いから終わるまで見てたよ



「すみません、お兄さん1人ですか?」


「え?いや、彼女待ってて……って、アレ?一華さん!?」



私もナンパのフリして声掛けたらテンパってる
クスクス笑う私にまた真っ赤だ
さっきの女子グループ、まだこっち見てるんじゃない?
見せつけてあげようか?
あざとさ対決しちゃう?
んふふ、その辺の女子にマウント取らせたらピカイチなの知ってた?
私の彼だから入る隙なんてないよって知らしめるの



顎クイでこっち向かせたら、マスク下げて私からのキス……それも一瞬ね
人が居るから目立たないようにするんだよ
びっくりしてる顔ウケる
「もう1回」ってもうしないよ
服ごと引き寄せて密着するよ……



「私の時はあんなに怒ったくせに自分も声掛けられてるじゃん……格好良いの忘れないでよ」


「え、僕、格好良いですか?」


「自覚ないの一番困る」


「それは一華さんもです」


「今は旺志郎くんの話」


「僕はちゃんと距離を保ってましたよ?」


「今日はデートだから私だけの旺志郎くんじゃないの?」


「え、すみません、一華さんだけの僕です」


「んふふ、自覚した?」


「はい、しました」



恋人繋ぎから腰に手を回させる



「もう離れちゃダメだね?私たち…」


「はい、離れません」



その後も一通り愉しく水族館を回ったよ
イルカショーも観て少しだけ水しぶきがかかって2人して大はしゃぎしちゃった





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