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微熱に疼く慕情

第10章 【囚われない愛と持続的な関係】






「そうか、うん、そうだな」



途中から明島さんも涙ぐんでる
めちゃくちゃな事を言ってるのに
全部優しく頷くんだもん
結局は大好きって事をぶつけたら
ポカスカ叩く手を止められて



「本当は心の何処かで俺と離れたくないって泣き喚いてくれないかなって思ってた、欲しい言葉全部、一華の口から聴けて、今、心底嬉しいんだ」



そう言って男泣きされたら手を伸ばすしかないじゃない
抱き締め合って一緒に泣いたんだよ
意地を張らなくて良かった
意固地になって別れるとか、絶対言いたくない言葉を口走らなくて良かった
我儘をぶつけて良かった……



本当にどうしようもない私を許してくれますか…?



「一緒になれなくてもコレだけは貰っとけ、俺と会う時だけ着けてれば良いだろ」



やっぱり強引で、どこか憎めない人
似合う女になったら貰うって言ったのに
薬指に嵌められた
涙を拭って笑ったら
「もうお前が笑ってくれるだけで良い」って
頬撫でられて唇が近付いてきたからストップ……



「本当に良いんですか?私、今のままで……」


「……百歩譲ってだぞ?って言いたいところだけど、俺がお前を手放せねぇの知ってるだろ?俺の相手疎かにしたら思いきり拗ねてやるからな」



え……?



ごめんなさい、声に出して笑っちゃいました
まさか明島さんがそんな事を言うなんて思ってもみなかったから




「私も拗ねますよ?ちゃんと調教してくれなきゃ」


「するよ、覚悟してろ」


「黒崎さんとも……また会って良いですか?」


「お前……なぁ、全部上書きと消毒するからな?」


「また3人でも……」


「お前、俺の反応見て愉しんでるだろ?」


「拗ねてますか?」



膝の上に手を滑らせて距離を縮めていく
顔が近付いてくるから「良いの?」ってまた寸止め……







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