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微熱に疼く慕情

第10章 【囚われない愛と持続的な関係】






抱き締められて、頑なに離してくれない



「頼む、俺から離れるな」って何度も言われた
好き………好き………愛してる
この気持ちに嘘はないのに真っ直ぐ飛び込んで行けないよ
私は、明島さんを一番に愛せなくなってる
認めてしまえばこの関係はどうなるの…?
破綻する…?
解放してあげなきゃいけないのは私の方じゃ…?



平等に愛せてるかはわからないけど、
誰が欠けても嫌なの
もう私の一部になってる、皆
自分でも何処に向かっているのか、
どうしたいのか
まだ確信が持てない……
そんな状況で、返事なんて出来ないよ



「もう、俺は必要ないか?離れたいか?」


「……違っ」


「いや、はっきり言ってくれ、一華はどうしたい?俺ときっぱり離れて生活したいか?一華にとって、その道が幸せになれるって言うなら俺は此処で身を引くべきだと思う……気持ちは全然追いついてないけどな……好きだから、好きだからこそ、好きな女をこれ以上泣かせたくない、はっきり答えてくれ」



そんな……………



ううん、ちゃんと答えるべきなんだ
でも………大好きな顔を見ると、奮い立たせたものが諸とも崩れ落ちていく
なんて自分は浅はかなんだと思い知る
本当に、サヨナラなんて出来る?
そもそも、サヨナラしなきゃダメ?
何で?今のままじゃどうしてダメなの?
どうして形に囚われなきゃいけないの?



「一華……答えてくれ」


「うぅ……明島さんとっ……結婚はしない…っ」


「うん……」


「でもっ……もう会えないなんてヤダ……ごめんなさい、我儘ばかり」


「いや、我儘なんかじゃないよ」


「凄い我儘だよ……明島さんを幸せに出来ないのに……離れたくないの、ダメだよ、明島さんは、これからも私を調教し続けてくれないと……私、もっとダメになっちゃうよ」






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