
微熱に疼く慕情
第11章 【普遍的な真理】
「え?え?」って動揺してる
「私、本当に誰とも付き合わないです、それでも良いですか?」
「それって……どういう事?」
「うーん、割り切った関係って言えばわかります?」
「つまり、か、身体だけの関係?」
「はい、それならすぐにでもOKです」
「そ、それはちょっと……」
「ですよね……じゃあ、やめておきましょう」
「あ、あの…!お試しとかもダメですか?」
「だからそんなまどろっこしいの要らなくないですかぁ?」
「チャンスください…!お願いします」
好青年、且つ真面目過ぎる男
嫌いじゃないけど今は面倒くさい
腕掴まれたままだから、そのまま私からキスしたらどうなるんだろう?
チュッと触れて鼻で笑う
「これから幻滅するんだろうけど、私、こういうの全然普通に出来ちゃうんですよ、身体だけが嫌なら他を当たってください」
これでもかってくらいの作り笑顔で話したら
引いて諦めてくれるだろうと思った
腹の括れない男は要らない
後々、面倒だから
最初からある程度晒しておく事によって
面倒を回避出来たりする
付き合わないよ、セフレならOK
ってやっぱり最初に言われるとダメなのかなぁ?
セフレを理解してない人もたまには居るけどね
本気にさせ過ぎて今困ってるのも事実だけど……
「ね、やめといた方が良いですよ」
厭らしい手つきで腕を撫で、離れようとしたら
案の定、あなたは私を押し倒してくる
テーブルに今度は私が座らされた
そんなに慌てなくて良いよ
「クスッ……良いの?私に遊ばれるんだよ?」
「……絶対に、好きになってもらう」
「え、それは愉しみだなぁ……」
ネクタイごと引っ張ってチュッと触れるだけのキス
わかってる、物足りないよね
理性なんて吹き飛ばしてあげる
抗えなくなるよ
「宜しくね、谷川 晃さん……」
