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微熱に疼く慕情

第2章 【動き出す熱情】






「うん、でも仕方ないよ」


「そんな事ないです……私が、居ます、これからは私で…」



ハッとした
私、今、なんて言おうとした?
「あ…」と言って引いても意味はない
だってもう、黒崎さんに押し倒されてる
激しくて熱いキス………
受け止めるのに必死になるやつ………



「もう一華ちゃんじゃないとダメみたいって言ったら……受け入れてくれる?」



私が強く出れない、上手な乗せ方
大人なフリして時々弱さも武器にする



「私なんかで良いんですか…?」


「一華ちゃんが良い」


「でも私、明島さんと…」



その先は言わせてもらえなかった
絡む舌が“言わないで…”と言っている
明島さん以外にも居るんだけど……
言わないのは何か違う気がして



「恋愛感情は抜きで…だったら私、使ってください」


「え…?あぁ、身体だけって事?」


「はい、その方が……良いですよね?明島さんが一番なので、私……」


「……うん、わかった」



会話の間が怖かった
理解してくれてホッと胸を撫で下ろす
これで心に蓋が出来る
私は、黒崎さんを好きにならない
性の捌け口としてこれからも会うだけ



「でも、2人で会いたいと思ったらまた会ってくれる?」


「明島さん抜きで、ですか?」


「ダメかな?明島さんに言うなら言ってくれて構わないし」



そこの線引きは曖昧にするんですね
良いですよ、時々なら時間作れると思います
でも意地悪な私はわざと罠を仕掛けていくの



「明島さんにはちゃんと報告します……隠し事したくないので」


「うん、わかった」



そう言った後でも平気でキスをする
舌を絡め合って誘う



「待って、これ以上は…」


「この前みたいに何回も出来るんでしょ?やっと会えたのにこのまま帰しちゃうんですか?私の使い方、勿体なくありません?」




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