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2人きりの夜から

第9章 9

「お兄ちゃん……」

私も立ち上がって、抱きしめ返す。

何も言えない。私が悪いのに。私、お兄ちゃんの気持ちを考えずに傷つけた。

お兄ちゃんの腕の力が抜けて、顔を見上げると。

「ん……」

キスをされた。

「もう俺のこと嫌になった?」

「そんなことない…!」

そう言うと、何度もキスをされ離してくれない。

「……だめ、バレちゃう。」

「ごめん、久しぶりだったから」

「ううん、嬉しかったよ。じゃあ戻るね」

「うん、おやすみ」

自分の部屋に戻って、布団に入る。先生のことも、お兄ちゃんのことも同じくらい考えてしまう。

「どうしていいかわかんないよ……」

ただの欲求不満で起こした自分勝手な行動、自業自得でしか無いのに、どうして優しくするの。

2人とも、私のことを思っくれてることが伝わるから辛い。

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