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2人きりの夜から

第9章 9

「俺その後も何回かあおのこと見かけて、大野先生も見た。まさかと思って、数学教室行ったら2人がいて勉強してるかと思ったら、そうじゃなかった」

「……」

「何してたの?」

「…言えない」

「俺悔しかった。たった2週間の間に、あおが先生に取られて」

「ごめんなさい」

「謝らないで、距離取ろうとした俺が悪い。寂しい思いさせたんだもんな」

「違うっっ……私が悪いの」

「だから、俺負けない。あおが俺を選ぶように頑張るから、俺のこともちゃんと見て。」

「そんな、、」

「いいからお願い」

 お兄ちゃんは立ち上がって私に近づく。

「俺頑張るから」

そう言うと、私を抱きしめる。

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