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磯撫デ

第8章 考察

Aさんは古参の仲居です。親族にもしかしたら漁業関係者がいたかもしれません。
H夫妻は運送業者です。漁港で運送するといえば漁業関係の貨物に決まっています。
ふたりともG氏に圧力をかけられていたのかもしれない、というのは考えすぎでしょうか?

そして、K実は自らの『仮説』をAに話しています。
AはG氏とつながっている。もし、G氏がオジを殺した犯人だとしたら、K実の取材結果は10年以上前の自らの犯罪を掘り起こしかねない脅威と映ったかもしれません。

そこでG氏はK実を夜の海岸におびき寄せて、海に引っ張り込もうとしたのではないでしょうか?場合によってはH夫妻やAなどが手伝ったかもしれません。

やり方は、砂浜に埋めた網を沖の船舶で思いっきりひっぱる、などの方法を取ったのかもしれないと考えました。この時、彼らに殺意があったのは明白です。だからこそ、K実は私に連絡を取ろうとし、取材ノートを託そうとしたのでしょう。

そして、その彼女が死んだのです。
警察は取材ノートの件には一切触れませんでした。
おそらく彼女の荷物の中には取材ノートのオリジナルがあったはずです。それを見れば、私と同じ結論に至ってもおかしくないのですが、そうならなかった。なぜでしょう?

おそらく犯人が持ち去ったのではないかと私は考えました。
むしろ、取材ノートを抹殺するためにK実を殺害したとも考えられるわけです。

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