
幻想遊園地
第1章 第1話:シンデレラ ―The Real Story―
日が沈み、この国一番の舞踏会が始まりました
荘厳なオーケストラが音楽を奏で
素晴らしい料理が振る舞われました
美しく着飾った王女、娘達が次々と王子に挨拶に参りました
王子は礼儀に乗っ取り
「私と踊っていただけますか?」
と挨拶に来た王女たちに言いました
くるくると軽快なワルツを踊りながら
北の国の王女は言いました
「王子様、なんとお美しいお召し物でしょう、上等な絹にきらめく宝石が散りばめらておりますわ
私の国と貴方様の国が手を取れば、もっともっと国は豊かになるでしょう」
王子様はうやうやしく北の国の王女の手に口づけをしました
東の国の王女は言いました
「王子様の剣の腕は近隣にも響くほどですわ。猛々しい殿方、とても頼もしいですわ
私の国には強い軍隊がおります。私の国と貴方様の国とが手を取れば、どんな敵も震え上がりましょう」
王子様はうやうやしく東の国の王女の手に口づけをしました
南の国の王女は言いました
「王子様は帝王学を始め、遠い西方の学問も修められるほどの智者として知られておられます
私の国は小国ながら学問が盛んでございます。貴方様のような知恵多きお方がいらっしゃれば、互いの国のためになりましょう」
王子様はうやうやしく南の国の王女の手に口づけをしました
西の国の王女は言いました
「なんとお美しい御髪でしょう。きらめく瞳、まさにあなたは私の理想の王子様です
私の父君は、反対なさっておりますが、私は、貴方様ような美しい方とお近づきになりたいですわ」
王子様はうやうやしく西の国の王女の手に口づけをしました
こうして、次々と王子は王女や娘達と踊りました
皆、口々の王子の栄光や知恵、力、財力などを褒め称えました
しかし、王子の心は露ほども揺れることはなかったのです
踊り疲れた王子は王の隣に座しました
王は王子が娘達と踊っている姿を見て、大変満足そうでした
「王子よ、気に入ったものはおったか?
北の国は豊かな国よ。その王女を娶れば国は豊かになろう
東の国は強き国よ。その王女と添い遂げれば、この国はどんな国と戦っても負けはしないだろう
南の国は賢き国よ。その王女を妻とすれば、この国はいよいよ栄えるであろう
西の国は智謀の国ぞ。その王女をこちらにつければ、寝首をかかれることもあるまいて」
王は酒を手に上機嫌でした
荘厳なオーケストラが音楽を奏で
素晴らしい料理が振る舞われました
美しく着飾った王女、娘達が次々と王子に挨拶に参りました
王子は礼儀に乗っ取り
「私と踊っていただけますか?」
と挨拶に来た王女たちに言いました
くるくると軽快なワルツを踊りながら
北の国の王女は言いました
「王子様、なんとお美しいお召し物でしょう、上等な絹にきらめく宝石が散りばめらておりますわ
私の国と貴方様の国が手を取れば、もっともっと国は豊かになるでしょう」
王子様はうやうやしく北の国の王女の手に口づけをしました
東の国の王女は言いました
「王子様の剣の腕は近隣にも響くほどですわ。猛々しい殿方、とても頼もしいですわ
私の国には強い軍隊がおります。私の国と貴方様の国とが手を取れば、どんな敵も震え上がりましょう」
王子様はうやうやしく東の国の王女の手に口づけをしました
南の国の王女は言いました
「王子様は帝王学を始め、遠い西方の学問も修められるほどの智者として知られておられます
私の国は小国ながら学問が盛んでございます。貴方様のような知恵多きお方がいらっしゃれば、互いの国のためになりましょう」
王子様はうやうやしく南の国の王女の手に口づけをしました
西の国の王女は言いました
「なんとお美しい御髪でしょう。きらめく瞳、まさにあなたは私の理想の王子様です
私の父君は、反対なさっておりますが、私は、貴方様ような美しい方とお近づきになりたいですわ」
王子様はうやうやしく西の国の王女の手に口づけをしました
こうして、次々と王子は王女や娘達と踊りました
皆、口々の王子の栄光や知恵、力、財力などを褒め称えました
しかし、王子の心は露ほども揺れることはなかったのです
踊り疲れた王子は王の隣に座しました
王は王子が娘達と踊っている姿を見て、大変満足そうでした
「王子よ、気に入ったものはおったか?
北の国は豊かな国よ。その王女を娶れば国は豊かになろう
東の国は強き国よ。その王女と添い遂げれば、この国はどんな国と戦っても負けはしないだろう
南の国は賢き国よ。その王女を妻とすれば、この国はいよいよ栄えるであろう
西の国は智謀の国ぞ。その王女をこちらにつければ、寝首をかかれることもあるまいて」
王は酒を手に上機嫌でした
