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O……tout……o…

第1章 おとうと

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「ボク……だ、ダメ…なんだ………」

「…………」

「た、勃た…な…いん……だ………」

「…え………」

 しんちゃんは、わたしを後ろから抱き締めながら…
 哀しそうに、小さく呟いた。

「え、勃たないって?」

 わたしは、身を捩り、振り向く…

「あっ、んっ…」

 再び、唇が触れ、舌を吸われてしまう。

「ん…………」

 だけど、今度は、熱くない…

 でも…

「う、うそっ、当たってる…」

 そう、腰に、しんちゃんの熱い猛りが当たってきていた。

「え、あ、うん…でも…
 いざとなると……ダメになっちゃうんだ……」

「うそっ、ウソ…」

「ううん…」

 わたしと、ヤりたいが為に…

「ホント…なんだ………」

 その逸らない目が、真実を訴えてくる。

「え、で、でも……」

 そう、でも、来月には、結婚するのに…

「あーちゃんに、招待状を書いた夜…」

 しんちゃんは、哀しそうな目で見つめ、話してくる…

「美耶子を抱いてたら…つい………」

「…………」

「あーちゃんって、呟いちゃって……」

「え……」

「美耶子の目を見ていたら………」

 喘ぐ、痴態を見ていたら…

 潤む目を見ていたら…

 カラダの汗を感じたら…

「…………」

「ふ、ふいに、あの頃が、浮かんじゃって…」

「…………」

「あ、いや、忘れたこと、なかったし……」

「………で、でも、みやこ、さんて………」

「うん…でもね、いつも、みやこ…
 やーちゃん……て、呼んでいたから………」

「…………」

「…だから、だと思うんだけど…つい………」

 やーちゃん…

 あーちゃん…

 似て非なるもの―――

 でも…

『忘れたことなかったから…』

 それは、わたしも同じ…

 そして、しんちゃんにも、トラウマが…

「それからなんだ…
 いざ……が…ダメになっちゃうんだ………」

 まるで、泣いているみたい……

「……………」

 それって……

 同じなのかも……

「ほ、ホントは……さ………」

「……………」

 わたしを抱く、しんちゃんの腕が、小さく震えていた―――

「ほ、ホントはさ……ずうっと……」
 
「……………」

「ずうっと…あーちゃんと、シたかった……」



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