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お前らめんどくせえから結婚しろ

第1章 罪な女と怖い男



「ん......。」


意識が浮上した那奈はガバッと身体を起こした。


「ひぃた....い...。」


上半身を起こした瞬間腰に激痛が走り、再びベッドへと戻る。
那奈はまず天井を見た。自宅ではない。だが犬小屋でもない。高級ホテルの一室にあつらえてそうな室内灯と高い天井だ。つまり黒瀬の寝室である。
彼女はこの時点で、何かがおかしいと気づき始めた。

あれ、服着てる。着てるっていうか着せられた?私、全裸だった筈...。彼の服?いや私のだ、ご丁寧にストッキングまで履かされてる...。
それで身体も...洗われたよね...なんか違うボディソープの匂いがする...。


え、彼、何故こんな事を...?


私、腰以外どこも痛くないんだけど...。


復讐...は?

そんな事を思っていると、小さな開錠の音と共に室内の扉が開かれる。


「おはよう。」

紺のストライプスーツを着て、胡散臭い笑みを浮かべながら、こちらに近付いてくる黒瀬に那奈は警戒しつつも、「おはよう」と返答する。


「腰は大丈夫?」


「......痛い。」


「そっか。ごめんね。」



本当に悪いと思ってるのか、この男...。
いや、そんな事を口にしたら何をされるか分からないから黙るけど....。


「乱暴にしたお詫びに君の家まで送っていくよ。」


「はぁそれはどうも....え?」


送っていくって言ったかコイツ?
何で?とりあえず訂正したい。


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