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アシスタントで来ただけなのに…!

第1章 鬼才漫画家、市川ルイ




ここまで来るのに頭痛と寒気が止まらなかったというのに、そんな所で生活をしなくてはいけないのか。


それに先生はおそらくここで生活をしている。


薄暗くて見えずらいが、この部屋は事務所というよりも先生の部屋だ。


扉の前にはダブルサイズ程のベッドもあるし、クローゼットもある。


つまり…



「私は先生と生活を共にするということですか?」



「あぁ、そういうことだ」



とんでもない展開が続いておかしくなりそうだ。



「問題あるか?」



「問題があるというより、急すぎてなんて言ったらいいか…」



「君が無理だと言うならば他をあたる、どうするんだ?」



ここで私が断れば夢が消えてしまう…。



「…分かりました。住み込みで大丈夫です」



「そうか、よろしく頼む」



先生との住み込みだとどのような生活になるのだろうかと、考える前に質問は続いた。



「では、次だが」



「君、身長はいくつだ?」



「っえ、身長ですか?156cmです」



「156…では体重は?」



「…へ?体重!?」



質問に答えると言ったが、まさか体重を聞かれるなんて思いもしなかった。



「いやいや!体重は流石に言えないです!」



「…そうか、残念だ」



「君にアシスタントを任せることはできないな」



先生はため息混じりにそう言うと、後ろを向いてしまった。



「っえ、ま、待ってください!」



私の声は届いていないのか、興味を無くしたのか、先生は振り向こうとしない。


ここまで来れたのに、もう夢が叶ったのに自分の体重が言えないだけで全てを失ってしまう。


「私の体重は48kgです!」



もはや恥じらいもなく答えると、先生はくるりと振り返って、またメモをした。



身長に体重…次は一体何を聞かれるのだろうか。


もうここまで来たらどんな質問でも答えようと思った。



「そうだな…」



先生は顎に手を添えて、正座する私を上から下まで見る。


まるで観察しているようだ。


なんでも来い…!と歯を食いしばっていると先生が口を開いた。



「脱いでもらおうか」


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