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陽が沈む湊、陽が昇る湊。

第8章 すれ違いの日々

「人の命を預かる二人には尊敬しかないよ」

凱はソーサーを手に持ち、優雅に珈琲を飲む。

様になってる。なぜか無性にムカつく。

「一昨日会った時、日陽がボヤいてたよ」

「……なにをだよ」

なにか思い当たることがないか、脳内を探しまわる。

あの日は確か……。

日陽の処女を奪った日だ。

オレはなにかやらかしてるのか?

カップを持つ手が震えている。

ちゃんと出来てたと思うが……。

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あの日の出来事が脳内によみがえる。

日陽と身も心も一つになって溶け合った。

オレは頂点を迎えて、彼女の中に射精した。

刹那の快感。なんとも言い難い満足感。

日陽は満足していたのだろうか。

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「……子どもは3人くらい欲しいってさ」

現実に引き戻される。

「湊、聞いてる?」

「ああ……ん、今なんて言った?」

「だから、日陽は子どもは3人欲しいって」

え、なんの話だ。オレたちはまだ結婚もしていないのに。

凱には子どもの数まで話しているのか。

「頑張らないといけないな。パパ湊」

オレは何がなんだか分からなくなっていた。

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凱は思いっきり楽しんでいた。

嘘は言ってない。

子ども数は一人盛っちゃったけど。

僕の分まで、二人には頑張ってもらえたらいいかな。

保険みたいなものさ。

僕の子孫を残すよりか、湊と日陽の遺伝子を残した方がこの世界には優しい。

湊のスマホ画面にメッセージが写し出される。

「仕事終わったよ」

日陽からのメッセージ。

「オレ、行かなくちゃ」

凱は目を閉じて、払うように手を振った。

「ありがとうな。凱」

オレは立ち上がり、ラウンジを足早に去っていった。

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