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陽が沈む湊、陽が昇る湊。

第10章 ♡マーク

翌日の朝。
二人は公休。時間を気にせず寝ていた。
すると玄関のチャイムの音で起こされた。

「湊、誰か来た〜」

「……朝っぱらから誰だよ」

湊は枕元の置いてある腕時計を確認する。

午前9時。

日陽が二階の窓から外を見た。

「あの車、凱じゃない」

玄関先に高級SUVが停車していた。
引き戸を開けると、スタイリッシュなスーツ姿の凱が立っていた。

「朝からごめんね。ミニの受渡し書類にサインが欲しくて寄ってみたんだ」

先日、凱から譲り受けたミニクーパーの名義変更手続き

「ああ、分かった。ちょっと入って待ってろよ」

湊は書類を受け取り、ちゃぶ台の上でサインをする。

凱は室内を見回していると、玄関先に貼ってあるカレンダーに目を留めた。

所々に♡マークが書き込まれている。

(コレは興味深い)

カレンダーの隣には二人のシフト表も貼ってあった。

(昨日の夜♡、今日は一日オフ♡。次は日曜の夜♡……火曜の??コレは何だろう)

凱の頭脳がフル回転する。すると、日陽も降りてきた。

「おはよう、凱。お茶淹れるよ」

「結構。書類を受け取ったらすぐ出て行くよ」

(なるほど、コレは『子づくり』カレンダーかな。多忙な二人は玄関先で夜の営みチェックをするのか……浅ましい限りだ)

カレンダーの謎を読み解いたと同時に、湊が書類を手渡した。

「車、本当に助かってる。ありがとうな」

「僕も引き取ってもらえて助かってるよ」

どこか凱はニヤニヤとしていた。

「今度、ゆっくりご飯食べにきて」

日陽は玄関先まで見送りに行く、凱は彼女の耳元で囁いた。

「カレンダー通りに行かなくても湊を責めないでやってくれよ」

「え?カレンダー?なんのこと……?」

クスクス笑いながら、彼は車に乗り込み音もなく走り出していった。

日陽は悩みながら玄関まで戻ってくる。

そのとき、カレンダーの♡マークと目が合った。

「湊〜、カレンダーになんか書いた?」

「ん?ああ、それ?オレが書いた」

「この♡マークは何?」

「仲良くできる日♡」

次の瞬間、日陽の雷鳴のような叫び声が家内に轟いていた。

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