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お題小説第9弾『終わらない夏』

第1章 終わらない夏…

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「さぁ、悠里、終わりにしよう」
 美夏先輩は、頭から水を被ったかの様に、汗だくな笑顔でそう言ってきた。

「はい…」

「悠里、いつも付き合ってくれてありがとうね…」

「えっ」
 美夏先輩は、ボールを拾いながら、そう言ってきた…
 いや、言ってくれた。

「え、あ、そ、そんな、ありがとうなんて…」
 わたしは、そんな、思いもよらない美夏先輩の言葉に、思わず、涙を溢しそうになってしまう。

「本当に、悠里には感謝してるの」

「あ、い、いや……」
 涙が溢れてしまった。

「あ、あら、もう、泣かないでよぉ…」
 すると美夏先輩は、近寄り…
 ううん、わたしの肩を抱き…

「中学時代から、ホント、ありがとうね」

「あ…う、うぅ…」

「あらあら、泣かないのぉ…」

 そう言ってくる美夏先輩の目からも、涙が零れ…

「あ、違うからね、こ、これは、汗だから」
 と、照れ、いや、泣き笑いをし、更に肩を抱いてくる。

「う、うぅ……」
 涙が止まらない――

 すると…

「うわぁ、汗でびしょ濡れねぇ…」
 触れ合うTシャツが、汗でビショビショ。

「うわ、それに汗臭いわねぇ」

「あ、いや…」

「ふぅ、やだ、臭いわぁ」
 美夏先輩は、自らのT シャツを嗅ぎ、そう呟く。

「…え、美夏先輩のは、臭くないです…」

「え、いや、臭いからぁ」

「ううん、臭くなんかないですから」
 そう、わたしには、全然臭くない。

「いや、臭いよぉ」

「ううん、だって…美夏先輩が好きだから…
 全然、臭くなんか…あ…」
 わたしは、つい、告白をしてしまった。

「え、あ…いや…」

 だけどそれは告白というよりは、この話しの流れからの、なんてことない言葉の筈…

 口にするつもりなんてなかった――

「え、ゆ、悠里……」

 わたしを見る…

 美夏先輩の目が………

「わ、わたしも……」

「え…」

「ゆ、悠里が……」

「え…」

「悠里が、好きよ……」

 抱いてくる肩に、力がこもる――

「み、美夏先輩………」

「ゆ、悠里ぃ……」

「あ………」


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