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クラスの人気者は、刹那の2時間を買い戻したい。

第14章 おかわり

うつ伏せの皐月の上に重なる刹那、二人はまだ繋がっている。

「皐月、動かないでまだ気持ちいいんだ」

彼女の肩を大きな手が撫でて、頬ずりをしてから、濡れた唇を押し付ける。

「刹那はいつから女たらしだったのかしら」

「……覚えてない」

収縮しはじめた刹那のソレが皐月から抜け落ちる。

おもむろに身体を起こしてコンドームを外す。

「過去のことはなにも覚えてないの?」

皐月は下着を引き寄せ肩にかけ背中に手を回してホックを止める。

「断片的に思い出すことがある」

刹那も下着を履いてTシャツを首にかけ腕を通す。

「最近、どんなこと思い出した?」

刹那は視線を彷徨わせ記憶をたぐっている。

「バイクに乗っ てる風景とか」

「誰か思い出した人はいる?」

「男の人、顔はよく見えなかったけど、父親かな?」

「記憶戻ると良いわね」

「……どうかな。学校楽しいから思い出さなくても良いかも」

刹那はテーブルをまたいでキッチンに向かい、冷蔵庫からビールをつかみ取る。

「皐月も飲む?」

「飲もうかな。刹那、今からビール飲んで大丈夫なの?飲酒運転で捕まったら流石に退学よ」

皐月の助言も聞かずにプルトップを引き起こし、ビールを飲みはじめる。

「大丈夫、ここで寝ていくから」

「はぁ、すっかり野良猫に懐かれたわね」

刹那はニッと笑って、ベランダで煙草を吹かしていた。

ソファで横になって眠る刹那は無邪気な顔をしている。

皐月はタオルケットをかけようとした時

捲れ上がったシャツから覗きみえる背中に引き攣れた傷を見つけた。

身体を重ね合わせているときには気づかなかった。

シャツの裾を捲り上げてみると背中の半分くらい火傷の跡が走っていた。

(てっきり、バイク事故かと思っていたけど……何があったのかしら)

シャツを戻し、タオルケットをかけてやる。

「学校が楽しい……そうね、無理に思い出す必要ないかもしれないわね」

皐月はテーブルの上に小さく折りたたんだ札を置いた。

朝、ベッドで目覚めた皐月がリビングを見に行くと、

野良猫はいなかった。

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