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クラスの人気者は、刹那の2時間を買い戻したい。

第15章 個別補習&カテキョ

火曜:カテキョ/神崎凛(21)

叔父で学園理事長である白瀬聖一の紹介で刹那のアパートに訪ねてきた女子大生、神崎凛。

彼女は学園OGで現在は教育学部3年。英語教員を目指している。

「はじめまして、神崎凛です」

「白瀬刹那、よろしくお願いします」

さっそく、部屋に上がってテーブルの前に座ると、大きなカバンからファイルを取り出して置く。

「昨日、皐月先生にお会いして白瀬くんの調査をしてきました」

「調査ってなに?」

「先日の中間テストの結果や学校での授業の取り組みなどです」

(皐月以上に固いな)

ファイルを開いて、刹那のプロフィールを確認しつつ続ける。

「白瀬くん、ハタチなんですね。ブランクありでのこの成績……」

「凛センセは幾つなの?」

凛は小柄で高校生でも通るくらいに見えていた。

「私は教育学部3年で21歳です」

「へぇ、オレの一個上だ。じゃあ、敬語使わないでフツーに話しなよ」

「あぁ、話し方が固いってよく言われます。これは癖なので……気をつけます。あ、気をつけるね」

凛は一枚のプリントをテーブルに置いた。

「すでに個別補習で数学、古典、日本史を復習するみたいなので、
ほかの教科とのバランスをみて私なりの「学習スケジュール帳」を
考えてきました」

一週間のバーチカルタスク表

放課後から就寝前22時までの学習日程がみっちり書き込まれている。

「うげぇ、これ遊ぶヒマないじゃん」

「そうです!今は遊んでる場合じゃないんですよ。
そうでなくても白瀬くんはブランクがあるから
ここで頑張らないと追いつけない。
皐月先生から聞きました。まだ進路決まってないって」

「ん〜、それな」

「大丈夫です。白瀬くん英語が得意だから、合う大学もピックアップします」

「はぁ、どうもッス」

まだ勉強もはじめてないのに刹那の胃がキリキリ痛んでいた。

おもむろに立ち上がり、キッチンの下で煙草を咥え火をつけ、一服しはじめる。

凛が驚いたように刹那を眺めている。

「あ、すんません。なんか落ち着かなくて……」

「大丈夫です。白瀬くんが喫煙することも聞いています」

「……はぁ、他になんかいってた?」

「野良猫みたいな子だから甘やかしたらいけないと」

次の瞬間、ゴホゴホと咽せる刹那。

(皐月のヤツ、なに言ってんだ!)

刹那は少し肝が冷えていた。
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