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結ばれる

第1章 小さな子供

 私は趣味で縄を扱っている元也。縄と言っても縄跳びやあやとりで使うような物ではなく、頑丈なものを使っている。もちろん使う縄は人によって違うだろうし、それを否定するつもりはないのだが、私はもしもの時に備えて頑丈なものを使っている。

 まあ、そんな訳で人は全く来ないのだ。そもそも学生という身分で、縄を趣味で扱っていますと言って興味を持つ者は殆どいない。時々、風俗嬢っぽい女性が来たことはあったが、私の背丈を見た瞬間、「止めておきます」と一言。「学生と言っている時点で怪しい」と信じてすらもらえない時もあった。

 この日も教室の真ん中で一人、悩む。その時、扉をたたく音が何度も聞こえた。私は「どうぞ」と少し怒り気味に言った。

「あ……おね、がいします……」
 ゆっくりと扉を開けながら消え去りそうな声でそう言った。

 幼いな、見た目は小学生くらいだろうか。いや、油断するな、背の低い大人がなりすましている可能性もある。

 少し用心深くしていると、そっとこちらに近づき一枚のポスターを渡してきた。これは前に近くの駅で配ったポスター。

 こんな子にも渡してたっけ。

「ありがとう、わざわざ届けてきてくれたんだね」
 そうだよな、この子が小学生として縄に興味があるとは思えないし。きっと、風か何かでポスターを落としてしまったのを、ここまで届けてくれたのだろう。

「……あの、帰らないの?」

「あ、私……その、縄っていうのが気になって……」

「え?」
 思わず聞き返してしまった。最初は遊びか何かかと思ったが、表情を見るにそういうことではなさそうだ。ということは本当に……。

「ありがとう、でもね、君にはまだ早いかな。大人になったら……」

「大人はいつもそう」

「え?」

「大人になったら、大人になったらって、なんで子供が興味もっちゃいけないの?」

「…………」
 何だろう、この気持ち。懐かしい気がする。そうか、あの時の……。

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